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健康相談

Q.「CTとUS、MRI、PETなどとの違いは?」

相談に答える冨永院長
▲相談に答える冨永院長

A.CTと同じような断層撮影装置にUS(超音波診断装置)、MRI(磁気共鳴断層装置)、PET(ポジトロン断層撮影装置)といったものがあります。それぞれに特色があり、得意とする臓器や疾患の種類があります。

CTが最も得意とする領域は、胸部、腹部や顔面などです。特に肺がんの早期診断には不可欠であり、普通のレントゲン撮影では見つからない小さながんを発見することができます。

腹部ではUSがスクリーニング検査として有用であり、特に胆石や胆嚢ポリープなどの診断はCTに勝っています。肝臓がんについてはUSでスクリーニング検査を行い、CTで精密検査を行うのが一般的です。USに比べてCTが圧倒的に勝っているのは膵臓のがんや炎症などの病気です。

脳はCTまたはMRIで調べられますが、MRIの方が細かい異常所見がよくわかり、血管像も描出できるので勝っています。しかし急に起こった頭痛やめまいなど脳内出血やくも膜下出血が疑われる時はCTの方が役に立ちます。その他にMRIが優れているのは脊椎や肩、膝などの関節や骨の病気です。

頭より少し下で、鼻、副鼻腔、中耳腔などの耳鼻科的な病気の診断にはCTが有用です。

PETでは、早期のがんの発見に有用です。しかしCTやMRIと違って画像がボヤっとしており、疑陽性も多いことや値段が非常に高いことなどが欠点です。

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Q.「検査でX線を浴びて病気になるのでしょうか?」

A.X線(レントゲン線と同じ意味です)の検査を受けるたびに、被爆の心配はないだろうか、これが原因でがんにならないだろうか、などの不安を覚えることはありませんか?

昨年、イギリスの有名な医学雑誌「ランセット」で、検査のためのX線被爆によるがん発生率が、日本は世界の先進国の中で飛び抜けて高いという論文を掲載し論議をかもしました。

しかしこの論文の内容は、各種のがんの発見率と国内に保有するCT台数から割り出した患者当たりの被爆線量から推定しており、現実的とは言えません。私も長年、放射線科医をやっていますが、検査の被爆によってがんが発生したという経験はありません。もちろんX線は有害であり、白内障や甲状腺障害などの方ががん発生よりも確率的に高い危険性があります。だから不必要な検査は避け、放射線感受性の高い臓器に対する被爆を防護するなどの配慮は欠かせません。

有害な欠点とは裏腹に、病気から私達の健康を守るために多大なる恩恵をもたらしてくれます。なぜ日本が世界一の長寿国か考えてください。日本では誰でもどこででも検査を受けられるので早期がんの発見率が高いわけです。がんの発生率が他の国と比べて高いわけではないと考えられます。

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